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(YouTube) IUPACのイベントで中村特任教授がカーボンニュートラルについて講演しました!

2025年2月5日

「世界のニーズに応える化学の推進」(Promoting Chemistry Applied to World Needs) ウェビナーシリーズcoordinated by Beyond Benign and CHEMRAWN


CO2の総排出量をゼロにすることを「カーボンニュートラル」(#CarbonNeutrality) と呼びます。これを達成するためには、今後10年以内に産業およびエネルギーの改革が不可欠です。しかし、その具体的な方策は一般的に知られていません。本特別ウェビナーでは、九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 (International Institute for Carbon-Neutral Energy Research) の中村潤児 (Junji Nakamura) 教授をお迎えし、カーボンニュートラルへの道筋がどのようなものかを探ります。


What is Carbon Neutrality, and How to Achieve it-- with Dr. Junji Nakamura of Kyushu University


地球温暖化問題は深刻です。二酸化炭素の総排出量をゼロにすることをカーボンニュートラルと呼びます。この達成には、今後10年以内に産業およびエネルギーの改革が不可欠です。しかし、その具体的な方策は一般にはあまり知られていません。石油、天然ガス、石炭などの化石資源の使用を制限する場合、人工燃料を製造する必要があります。その製造には化学反応が利用されます。そのため、化学者の貢献が極めて重要となります。さらに、化学者は数字を用いて定量的に議論し、最も望ましい道筋を選択する必要があります。ここでのキーワードは、水素 (hydrogen) とメタノール (methanol) です。本ウェビナーでは、カーボンニュートラルへの道筋がどのようなものかに焦点を当てます。


中村氏は、銅(Cu)系触媒上でのメタノール合成に関する触媒機構を幅広く研究してきました。モデル触媒を用いた研究を通じて、銅と亜鉛(Zn)の合金サイトが活性サイトであることを明らかにしました。この「CuZn活性サイトモデル」は世界的に知られています。近年、中村氏は触媒反応機構として、ギ酸塩(formate)の生成が非常に珍しいエレア・ライディール(Eley-Rideal, ER)型機構を経て起こることを発見し、その成果は2019年に『Nature Chemistry』誌に掲載されました。


もう一つの卓越した研究は、酸素還元反応のための窒素ドープカーボン触媒の研究です。ドープされた窒素には、グラファイト型窒素(graphitic nitrogen)とピリジン型窒素(pyridinic nitrogen)の2つの主要なタイプがありますが、どちらが活性サイトを形成するかは大きな論点となっていました。中村氏は、両方の窒素種を別々に生成したモデル触媒を用いて電気化学測定を行い、ピリジン型窒素が活性サイトを形成することを解明しました。この研究論文は2016年1月に『Science』誌に掲載され、2016年以降に発表された「触媒(catalyst)」をキーワードとする論文の中で、最も多く引用されています。


[Event URL]: What is carbon neutrality and how to achieve it? - IUPAC | International Union of Pure and Applied Chemistry

[Video URL]: https://youtu.be/yI-OMl4JnfY?si=7HMCBr43YG9kpSkD

カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所

九州大学

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